アドバイザリーボード第4回会議のご報告
■開催概要
株式会社AHBでは、生体販売を行う企業としての社会的責任を果たすために、繁殖引退犬猫やハンディキャップを持つ犬猫と新しい飼い主との出会いをコーディネートする、パートナードッグ&キャットプログラムを実施しています。弊社では、本プログラムに対する社会の声を聴き、適切な運営を行うために、本プログラムに対するアドバイザリーボードを設置しています。
第4回は、パートナードッグ&キャットプログラムに関連して、社会課題を解決しながら持続可能な事業を行っていくための発展的な取り組みとして、①飼い主様が終生責任を果たすことをサポートするための保障サービス(パートナープラスパック)、②保障サービスの利益を活用したブリーダーにおける動物福祉の向上に向けた取り組みについての討議を行いました。
■開催日時
2021年7月29日 11:30~13:30
■開催場所
株式会社AHB 本社会議室 (東京都江東区木場三丁目7番11号)
■参加者一覧
アドバイザー 浅野 明子 氏 井島 七海 氏 今本 成樹 氏
奥田 順之 氏 上山 琴美 氏 安野 舞子 氏
ファシリテーター 水谷 香織 氏
主催・事務局
株式会社AHB 長谷川 龍太 森 兵衛 源本 正樹 谷 美也
アニコム損害保険株式会社 徳永 繁郎
■パートナードッグ&キャットプログラムの実施状況と展望
弊社よりアドバイザーに対して以下のような情報提供を行いました。
(1)ご挨拶
おかげさまで、先週、パートナードッグ&キャットのマッチング頭数が累計で300頭を超えました。2021年6月1日より、動物愛護管理法の改正に伴って、数値基準(飼養管理基準に関する省令)が施行されました。動物との共生、また動物福祉に向けて取り組んでいくにあたり、皆様方からのご助言を参考に進めて行きたいと思いますので、引き続きお願いしたいと思います。
(2)現在の実施状況について
2021年7月20日までに290頭のマッチングを行うことができました。募集実施店舗数は39店舗となっています。募集実施店舗とは、パートナードッグ&キャットを店頭で紹介している店舗です。WEBマッチングをスタートさせておりますので、実際は一部店舗を除いたほぼ全ての店舗でお迎えいただけるようになっています。


他社においても繁殖引退犬猫のマッチングが行われているところでございます。このような取り組みが広がることは、喜ばしい半面、これまでにアドバイザリーボードで指摘されてきたように、保護団体やボランティアの皆様が積み上げてきた保護活動を棄損するようなことはあってはならないと感じております。
パートナードッグ&キャットプログラムでは、あくまでも生体販売を行う企業の社会的責任としての取り組みであることを意識し、飼い主様に誤解を与えることのないように進めてまいります。そして、業界にとってのスタンダードとなるような体系を作っていきたいと考えております。
(3)パートナープラスパックについて
弊社では、子犬子猫のお引渡しの際に、病気や事故など、何らかの事情で飼育が難しくなった場合にお引き取りを行う、プラス安心保障というサービスを提供しております。今回、このサービスをパートナードッグ&キャットにもあてはめて、飼い主様やご家族様の万が一に備えるサービス「パートナープラスパック」(月額利用料:2000円)を提供したいと考えております。
パートナープラスパックでは、以下のサービスを提供したいと考えております。
● 里親探し代行サービス
○ 入院や長期療養等、飼い主様やご家族様が飼育困難な状況になった場合にお引き取りし、里親を探すサービス
● 災害時のお預かりサービス
○ 災害時の避難生活などで、一時的にお世話ができなくなってしまった場合にお預かりするサービス
● 傷病、入院時のお預かりサービス
○ 飼い主様やご家族様が、傷病、入院などで、一時的にお世話ができなくなってしまった場合にお預かりするサービス
● アニコム24(24時間電話相談サービス)
○ 365日24時間、健康相談や緊急相談ができるサービス
様々な事情から飼えなくなってしまった場合に犬猫を引き取り、里親探しを代行するといったサービスは、現在の日本社会の中では一般的なサービスではないと認識しています。また、保護活動で行われていることとも類似するサービスであり、本質的に人と動物の共生を支援し得るサービスにするためには、倫理的に検討する必要があると感じておりました。そこで、本会議においてアドバイザーの皆様から忌憚のないご意見をいただけるようお願いしました。

(4)ブリーダーの動物福祉向上支援について
パートナープラスパックについては、その売上を原資として、ブリーダーの動物福祉向上の支援に充てていきたいと考えております。ただ、どのような形でブリーダーの動物福祉向上の支援を行うべきかについては、まだ明確になっていません。そこで、本会議においてアドバイザーの皆様よりご助言をいただきました。
■第4回アドバイザリーボード議事概要
第4回は、パートナードッグ&キャットプログラムに関連して、社会課題を解決しながら持続可能な事業を行っていくための発展的な取り組みとして、①飼い主様が終生責任を果たすことをサポートするための保障サービス(パートナープラスパック)、②保障サービスの利益を活用したブリーダーにおける動物福祉の向上に向けた取り組みについての討議を行いました。
討議の内容に関しては、リンクのPDFをご確認ください。
アドバイザリーボード 第4回会議 議事概要はこちら
■アドバイザリーボードにおける議論を受けて
アドバイザーの皆様より、本プログラムを良い形にしていくための課題を多くご指摘いただきました。今回も、弊社が適正な判断を行っていくためのご意見を頂戴できたと感じております。
パートナープラスパックについて、弊社は、終生飼養の責任と業界の動物福祉向上を果たすことを目的に、本サービスの導入を考えているところでございました。しかし、今回の議論では、特に高齢の飼い主様に本サービスを通じてサポートを行うことは、社会的に受け入れられにくい面があるというご指摘をいただきました。一方で、終生飼養の責任を飼い主の自己責任のみで考えるのではなく、社会全体でセーフティネットを作っていくべきという考え方もお示しいただきました。
また、本サービスについて、繁殖引退犬猫という成犬・成猫をマッチングするという要素を活かすことができると考えています。ペットを飼いたいという高齢者は、終生飼養の観点からも子犬・子猫からの飼育が難しいと考えられることが多いですが、成犬・成猫が多いパートナードッグ&キャットとセーフティネットの構築を両軸で推進することで、新たなマッチング機会の創出ができると考えております。「プラス安心保障」にてセーフティネットを作り、終生飼養の責任を持ち合うことのできる社会づくりに貢献してまいります。また、こうしたサービスに込められた意図を飼い主様や社会全体に丁寧に説明していく所存です。
ブリーダー様および業界全体の動物福祉向上に向けては、特に本取り組みに共感いただけるブリーダー様に絞り込んだ支援が必要ではないかというご助言をいただきました。弊社も、より動物福祉に配慮したブリーダー様との連携を強化していきたい、動物福祉向上のお手伝いをしていきたいと考えております。そこで、特に共感いただけそうなブリーダー様へのヒアリング・アンケート等を行い、ニーズを把握したうえで、ブリーダー様における動物福祉の向上につながるご支援を実施していきたいと考えております。
今回ご検討いただいた、「プラス安心保障」の枠を超えて、動物福祉向上のためのブリーダー様に対する継続的なヒアリング・調査研究や、シンポジウムなどのご提案もいただきました。こうしたご提案を参考に、先例にとらわれない取り組みを加速していきたいと考えております。
■過去のリリース
パートナードッグ&キャット アドバイザリーボードの設置についてはこちら
情報公開の方針はこちら
アドバイザリーボード 第1回会議のご報告はこちら
アドバイザリーボード 第2回会議のご報告はこちら
アドバイザリーボード 第3回会議のご報告はこちら
■本件に関する問い合わせ先
株式会社AHB パートナードッグ&キャット事務局
〒135-0042 東京都江東区木場3丁目7番11
電話番号 03-5809-8227 (パートナードッグ&キャット事務局)
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